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放送博物館で調査をしています!
2018/02/08

JOBKのメディア史研究会の丸山です。
今回のフィールドレビューは、私たちJOBKのメディア史研究会がとてもお世話になっている放送博物館を紹介します。

放送博物館は、文字どおり、放送の歴史について様々な資料を収集・保存・公開している博物館で、無料で誰でも利用することができます。博物館は、23区内で一番高い「愛宕山」という山の頂上にあります。「山」と聞いて驚かれたかもしれませんが、標高は25.7メートルしかありません。最近は、放送博物館のすぐ隣にある愛宕山神社が出世にご利益があると有名で、頂上を目指して「出世の階段」を多くの人が登っています。私もご利益にあやかろうと、調査に行くたびに階段を登っています。

さて、放送博物館は全部で4フロアで構成されています。簡単ですが、各フロアを紹介します。
1階は2015年にリニューアルした放送博物館のイントロダクションに位置づくフロアで、タッチすると動きだす放送歴史絵図や初期のラジオやテレビの現物が展示されています。お土産もこのフロアで買うことができます。

2階は、それぞれのテーマに分かれた展示が行われています。NHKと音楽、ジャジャ丸・ピッコロ・ポロリなどの懐かしい子供番組、NHKが放送したテレビドラマの歴史など、一つずつの部屋ごとのテーマを楽しむことができます。このフロアには、8Kシアターや放送体験スタジオもあるので、実際に制作現場の空気を肌で感じることもできます。

3階は、放送の歴史をなぞるように歩くヒストリーゾーンです。日本のラジオ放送の始まりからテレビの登場、そして多チャンネル時代の到来へ。放送の歴史を懐かしい番組や実際に配布されたチラシなどの展示を見ることができます。

そして4階には資料室と公開ライブラリーがあります。私たちは、博物館が所蔵している資料を閲覧するためこの資料室をよく利用します。そこには、放送文化研究所が毎月発行している最新の放送研究雑誌から、戦前・戦後に発刊された放送に関する史資料、番組台本など様々な資料が集められています。一つ一つを手にするたび、一ページずつページをめくるたび、放送が積み重ねてきた時間の長さと歴史の重さを感じます。

放送博物館での調査は、資料室スタッフのみなさんのご協力なしに進めることはできません。JOBKの調査をスタートさせる時、スタッフのみなさんは、どこから手をつけて良いのかわからなかった私たちに最初のヒントをくださいました。その一つが、「放送番組確定表」という資料です。「放送確定表」「番組確定表」とも呼ばれるこの資料は、毎日の放送を記録した「放送の歴史」そのものです。2016年の夏、この資料をまず見てはどうでしょう?とご提案いただきました。もちろん、どのような資料であるのかも、どのように分析できるのかもわかりませんでした。しかし、1日ずつの記録を見ていくだけでワクワクしたことを今でも覚えています。

資料はこれ以外にも様々に保存されているので、放送に関心のある方は、ぜひ放送博物館に足を運んでみてください。「J・O・A・K、あーあー聞こえますか、こちら東京放送局です」という声とともに、ラジオからテレビ、8Kまでの歴史を体験することができます。

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