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山形国際ドキュメンタリー映画祭に行ってきました!
2018/02/08

JOBKのメディア史研究会の丸山です。

2017年10月5日から10月12日まで開催された、山形国際ドキュメンタリー映画祭に参加しました。
今回のフィールドレビューは、この映画祭(通称YIDFF)について報告します。

YIDFFへの参加は初めてだったので、映画を効率よくたくさん見るにはどうしたら良いのか試行錯誤の毎日でした。映画の上映は、朝10時から始まります。そこから、市内4箇所にある上映会場を慌ただしく移動しながら、夜11時半頃までドキュメンタリー映画を観ていきます。こんなにどっぷりとドキュメンタリーの世界に浸かったのは初めてです。
映画は、短いもので15分、長いものになると4時間半に及びます。その長さは作品によってバラバラなので、スケジュールの組み立てに毎日頭を抱えました。途中休憩を挟む作品もありましたが、映画祭が終盤に差し掛かる頃にはお尻と背中の痛みがピークを迎え、最後は意地で映画を観ていました。

今回の映画祭で一番記憶に残ったのは、インターナショナルコンペティションに出品されていた、ジョン・ジャンヴィト監督の『航跡(スービック海軍基地)』(2015)です。
『飛行機雲(クラーク空軍基地)』(2010)の続編として制作された本作は、アメリカ軍撤収の後もなお続く、フィリピンで起きている公害問題を取り上げています。ジャンヴィト監督とのディスカッションから、この映画は「For example Philipine」というテーマが底辺にあることを知りました。監督が「For example」という表現を使ったのは、映画が焦点を当てた基地による公害問題がフィリピン固有の問題ではなく、世界中にあるアメリカ軍基地(沖縄も含む)に目を向けるべきだということを訴えようとしたからだというのです。
ジャンヴィト監督は、アメリカ人としてフィリピンの人々と向き合い、そして地政学的な支配を止めようとしない「アメリカ」について問うています。いくつか既視感を覚えるショットがあったので、監督とその後もディスカッションしました。

このように映画祭の醍醐味は、映画を観た後にあります。上映後に開かれる監督との短いQ&Aセッションはその一つですが、なによりも大切にされているのは、様々なバックグランドを持つ観客と監督たちが酒を酌み交わしながら熱く語り合う時間です。毎晩熱気に溢れたディスカッションは、夜10時から深夜2時まで開店している「古美庵」というお店で繰り広げられます。夜風に当たるためなのか、頭をクールダウンさせるためなのか、お店の外にも人だかりができていて、ドキュメンタリー映画を愛する人の多さと熱意に驚きました。

深夜2時まで酒を酌み交わしながらドキュメンタリーについて語り合い、ちょっと眠って、また朝10時から夜11時まで映画を見る。人生初の「山形スタイル」に精魂つきそうになりましたが、とても充実した時間でした。夏の調査でもそうでしたが、研究には体力が必要です。それから、山形には世界中から若手研究者も集まってきていて、彼らと交流できたことも良い「土産」になりました。
次回は、2年後の2019年に開催されます。どんな作品が山形に集まるのか、今からとても楽しみです。

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