丸山 友美 / Tomomi Maruyama
静岡大学情報学部情報社会学科 専任講師
専門
ドキュメンタリー論、メディア史
研究テーマ
「日本におけるドキュメンタリー表現の展開とメディアの関係」です。
現在は日本で最初に放送されたドキュメンタリー番組『日本の素顔』に注目して、ラジオと映画の交錯する場所で、テレビ・ドキュメンタリーがどのように成立したのか、歴史的社会的文脈に照らし合わせながら番組を分析する研究に取り組んでいます。
その過程で、これまでNHKの編纂した『放送史』やメディア研究において、テレビ・ドキュメンタリーの成立や放送の歴史が、東京の視点に偏って描かれてきたことに気づきました。
これまで論じられてきたラジオとテレビの歴史には、日本全国に設置された地域放送局の取り組みはほとんど記述されておらず、その自由な発想や実験的な取り組みが忘却されようとしています。『日本の素顔』の調査を通じて発見した、ユニークなテーマや表現手法の開発に取り組んできた大阪放送局(JOBK)に目を向けると、現代に続く放送のナショナリティとローカリティをめぐる問題の通史的観測が可能になるのではないか。そんな思いからJOBKのメディア史研究会を発足させました。